こんにちはCamel Loop (@Camel_Loop)です!
今回は不思議な国インドについてお伝えしたいと思います。
世界55ヶ国を旅してきたなかでも、インドは特に思い出深い国です。
多民族・多言語・多宗教国家といわれ、方言を含めると800以上もの言語が話されているとのこと。
場所によって特色が色濃く異なっていました。
3ヶ月を掛けて一周したうえで、とりわけ印象的だった5箇所を紹介していきます。
それではどうぞ!
目次
バラナシ
シェイクスピアの4大悲劇のひとつに数えられる『マクベス』に、こんな言葉が出てきます。
「きれいは汚い、汚いはきれい」
こちらは物語の主人公であるマクベスを悲劇へと導く3人の魔女たちの言葉ですが、僕がこの言葉を聞いたときにまずバラナシのことを思い出しました。
狭く暗い路地を闊歩する牛に、散乱する糞尿。
生活排水を流したり排泄をしたり、果てには死体まで流すガンジス川。
明らかに汚いんです。
でも、その汚さにはある種の静謐さが伴っていました。
もしかするとそれは、ガンジス川がもつ特別な神聖さのせいかもしれません。
ヒンドゥー教徒にとってガンジス川は、神であり信仰の対象です。
インド北部を流れるガンジス川(現地ではガンガーと呼ぶ)は、川そのものが神格化され「母なるガンガー様」
(Gangamataji)と呼ばれている。ガンガーを流れる水は「聖なる水」とされ、沐浴すればすべての罪を清め、
死後の遺灰をガンガーに流せば輪廻からの解脱が得られると信じられている。(Wikipediaより引用)
「きれいは汚い、汚いはきれい」。
僕らが日常を暮らしている世界というのは、本当に綺麗なのか?
固定観念や価値観を大きく揺るがすように訴えかけるバラナシの地で、そんな疑問が
浮かんでは消えていきました。
カニャークマリ
インド亜大陸最南端に位置する小さな村カニャークマリ。
世界的にみても珍しいのですが、3つの海(インド洋・ベンガル湾・アラビア海)が交差する位置にあります。
その海を見渡せるコモリン岬が大きな巡礼地となります。
この村の主役は、太陽。
海から出た太陽が海に沈んでいくのを鑑賞できる、特別な場所です。
村の住民たちは早朝コモリン岬に集まり、祈りを捧げながら日の出を待ちます。
初めてこの光景を目の当たりにした時、あまりの壮麗さに鳥肌が立ちました。
真摯に祈りを捧げ、太陽が顔をだすと拍手喝采、スタンディングオベーション。
何もこの日が特別というわけではなく、いつもと同じ日常の一コマなのです。
この風習を毎日続けているという事実に驚きました。
なぜこのような習慣があるのかと村の人に聞くと
「太陽がかならず毎朝昇ってくれるとは限らない。今日も僕らを照らしてくれる太陽を神として信仰し、感謝の気持ちをもって見届けているんだ」
という答えが返ってきました。
もちろん夕陽も、村人総出で見送ります。
熱心に砂の山を作っていたおじさん達も、作業の手を止めます(笑)
僕らにとって何が幸せで、何に感謝しなければならないのか。
インド最南端の地は、様々な疑問を投げ掛けてきました。
プッタパルティ
インド南部のIT都市、バンガロールから車で4時間ほどの場所にあるプッタパルティ。
ここが何で有名かというとサイババの居住地としてです。
世代によっては覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、90年代日本のTV番組で特集が組まれるような存在でした。
一世を風靡…まではいかないまでも、知名度はありましたね。
僕がサイババタウンを訪れたのが2010年。
日本では『手から貴金属や腕時計を出す』等の奇跡を起こすキワモノ的な扱いだったサイババですが、ここプッタパルティでの彼は紛れもない教祖でした。
街はサイババ一色。
学校や病院など、街の施設のほとんどはサイババからの寄付によって建造されたものだそうです。
サイババのアシュラムに宿泊。
インドの喧騒とはかけ離れたような、静寂で平穏な数日間を過ごせました。
図書館やプラネタリウム、無料で食事が提供される食堂もあります。
礼拝時間にはご本人を拝見できました。
僕が訪れた翌年にサイババはお亡くなりになってしまい、驚きました。
現在でもアシュラムは存続していて、サイババ教徒のなかに潜入することは可能だそうです。
コディニ村
実際に訪れたことはないのですが、噂で聞いたことはありました。
インド南部ケララ州コディ二村、通称『双子村』。
ここは人口2,000人ほどの小さな村なのですが、なんとそのうち350ペア、約3分の1が双子なのだそうです。
双子率の高い原因は未だに解明されておらず、世界の科学者の関心の的なのだとか。
このよく分からない現象、非常にインドらしいと思い選ばせて頂きました。
リシュケシュ
インドの首都ニューデリーから300kmほど北に位置し、ガンジス川の沿いに広がる小さな町がリシュケシュです。
リシュケシュといえばヨガ、ヨガといえばリシュケシュ。
この場所は約5,000年前、ヨガが誕生した地とされています。
インド各地の喧騒とはかけ離れたような落ち着きがあり、かつてはビートルズがヨガの修行や曲作りのために訪れたことでも知られています。
ヨガを教える道場であるアシュラムには、宿泊施設も兼ね備えているものもあり長期旅行者に人気でした。
僕が利用したアシュラムは当時、1日2回のヨガのレッスン料と宿泊費込みで100ルピー(約200円)と格安!
今は値上がりしているかもしれません。
また町の中心であるガンジス川には、澄んだ綺麗な水が流れています。
同じ川でもこちらは上流にあたるため、まだ汚されていないのですね。
沐浴した旅行者の6割が病気になると云われるバラナシとは異なります。
気候も涼しくて過ごしやすく、山に囲まれ、自然に恵まれた環境は自分が「インドにいること」を忘れさせてくれるようです。
まさに『インドのなかのオアシス』。
ぜひじっくりと長期滞在をして、ヨガと瞑想に専念する日々を送ってみるのはいかがでしょうか。
忙しい現代において、そのような何もない静寂な日々を過ごすことは人生におけるオアシスとしての効果があるかもしれません。
まとめ:インドには魅力的な町がいたるところに!
いかがでしたでしょうか。
とにかく個性ゆたかな特色をもつインド、書くことが多すぎてまとめきれません。
短期でインドを旅行するとなると、どうしてもデリー・アーグラ(タージマハル)・バラナシ・コルカタなどの北部を高速で駆け抜けるような旅になってしまうかと思います。
南部にもカニャークマリのように心温まる住民が暮らす町があり、郊外にもリシュケシュのように長期滞在でじっくりと過ごしたい場所があります。
「好き」と「嫌い」で綺麗に評価が二分すると言われるインドですが、長期滞在をしたうえで嫌いになる人は少ないのではないでしょうか。
独特の宗教や文化を理解し、じっくりと腰を据えて時間を過ごすことが出来れば、あなたもインドの魅力に憑りつかれてしまうかもしれません。
ではまた!